イーロンとカラスとコロッセオ

コロッセオを背に立つイーロン・マスク。その手には、黒いカラスが一羽とまっています。CAWのシンボルは、カラスです。この画像がXに流れたとき、コミュニティは沸きました。「イーロンがCAW(カラス)を手にしている」——ホルダーや海外のインフルエンサーが次々と保存し、#CAW を付けて引用・再ポストしました。数時間で、この一枚はCAW神話の一部になります。出所はずっと、こう説明されてきました。AIアート作家 Dima Zeniuk氏(@DimaZeniuk)が2025年1月に「ローマのコロッセオにいるイーロン・マスクの象徴的な写真(Iconic photo of Elon Musk at the Colosseum in Rome)」というキャプションで投稿したパロディ作品であり、手のカラスは不気味なキャラクターを演出するための小道具にすぎない——2023年の「マスク対ザッカーバーグ」格闘技対決騒動——報道が繰り返しコロッセオと結び付けたあの件——を皮肉ったものだ、と。(ここは揃えておきたいところです。イーロン氏本人が言ったのは「イタリアの首相・文化相と“epic location(壮大な場所)”で合意した」までで、コロッセオという具体名ではありません。そして電話会談後、文化相ジェンナーロ・サンジュリアーノ氏は「敬意をもって場所を検討している。ローマでは行わない」と述べています。コロッセオは語り継ぐ側の言葉であって、計画そのものではありませんでした。)ところが、その投稿を実際に開くと、掛かっている絵が違います。キャプションも日付も説明どおりなのに、添付されているのはコロッセオの内部でスマホを掲げるイーロン氏の写真で、周りには観光客が写り込んでいます。カラスは、どこにもいない。このカラスの一枚がどこから来たのかは、分かっていません。誰が作ったのかも、いつ現れたのかも。2026年7月28日時点で、こちらでは辿り着けていません。無関係な素材から意味が生まれていく過程の一例として、書き留めるつもりでした。その素材のほうが、行方不明です。🐦⬛
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